夏休みの魔法


…………………………………あの、お母様?


「…ボケた?」

「失礼ね!まだ41歳よ!」


いや、40代には見えないけど。


いやそうじゃなくて!


「…どこの?」




「START事務所に、男装して」


ニコニコ笑顔で、お母さんは答えた。




「絶対ヤだ」

「北斗くんに会えるかもよ?」

「それでもヤだ。だいたいなんであたし!?未来にぃとか希来でいいじゃん!」


そうだよ、二人ともかっこいいんだから!



「だめよ。あなたには入ってもらう。…『木崎千来』としてね!」


勝ち誇ったように言われた。


「あたしが男で『木崎千来』!?」



…有り得ない…。

なんで…よりにもよってその名前なんだ…。






突きつけられたコトがあまりにも大きすぎて。


あたしの頭は、許容量を超えた。