さすがに蒼の顔を見れなくて、片手で顔を覆って俯いた。
「…北斗が本当にこれでよかったか、なんて俺には分からないし、北斗自身にも分からないよ」
うん、うん。
分かってる。
分かってるけど、思ってしまう、考えてしまう。
考えたら、答えが出るんじゃないかって。
あのときみたいに、誰かが俺の中の俺を見つけてくれて、そこから救ってくれるんじゃないかって。
淡い期待をしてしまっているんだ。
「けど、俺はこの道を選んでよかったと思ってる」
蒼のその言葉に、はっと顔をあげて、蒼を見た。
「みんなと会って、COLORFULになって。辛いことだってたくさんあるし、それは無くならないけど、それ以上に…嬉しいんだ」
蒼は、俺を見ないで微かに笑っていた。
「いくら考えたって、違う道を選んだときのことは分からない。だから俺は『今』の時を全力で、みんなと走って、走りきってみせる」
そう言い切った蒼の瞳は、夏の光だけでなく、輝いて見えた。
「俺がこの道を選んだときの夢は、正直有名になれるならなってみてぇな、くらいだった。けど、今は違う」
蒼が、ゆっくりと俺を見る。
「俺の今の夢は、『COLORFULで有名になって、ずっとみんなで頑張ってく』こと!だからさ、北斗…一緒にやろうぜ!!俺はずっとCOLORFULでいたい!」