夏休みの魔法


急に黙り込んでしまった俺を、蒼は心配そうに覗き込んだ。


俺はそれに気づかず、ただ前を見て、小川に向かって降りていった。





小川は本当に浅くて、水が足首までしかない。


大きな石や小さな石があって、滑って怪我するかもしれないから、小さい子は立ち入り禁止だった。

だから、小川の周りで遊んでいる子が多い。


そんな子供たちを、俺はただぼーっと見ていた。






「………北斗、今でも、悩んでんだろ?」


何も考えていなかった俺は、蒼のいきなりの言葉に驚きを隠せなかった。



バッと蒼を見ると、真剣な顔だった。




…そんなことない、なんて、言えなかった。