「…それにしても、さ。優来髪のびたな」
「うん、切りたいかも」
あたしの髪は今背中の真ん中くらいまである。
カールも何もなくて、ストレート。
今は夏だからポニーテールにしてる。
「あぁ、髪のことで思い出したけど」
お母さんがいきなり話に入ってきた。
「え、母さんこのタイミングで?」
「もうちょっと考えようよ…」
未来にぃと希来になんか言われてる。
え、何この状況。
理解できてないの、あたしだけ?
「今でいいわ。…優来」
「ん?」
お母さんの髪の毛も茶色でパーマかかっててロングで可愛いよな~と思ってたら。
いきなり。
「あんた、夏休みの間だけ芸能事務所に入りなさい!」

