『あたしが、一番最初のファンだよ。ずっと応援してるから』 はっと目が覚め、勢いよく起き上がった。 ベッドの枕元においてある時計を見ると、針は5時40分を指していた。 俺は夢の余韻に浸りながら、ぼーっと窓から外を眺めた。 今は七月。 だからこの時間でも空は明るくなりはじめている。 太陽がなくても明るい東京の街を眼下に、俺はさっきの夢を思い出す。 不安定な時期に、必ず見る夢。 無垢な笑顔を浮かべた少女が出てきて、最後にはいつも同じセリフを言う。 俺が一番、心の支えにしているセリフを。