月が見る夢の星

私は先輩の何?
何なの?
どうして最後まで言ってくれないの?

食事もあまりおいしく感じない。
お手伝いさんは月が食事の手をとめたのを見計らい言葉を言う。

「お嬢さま」

「……ごめんなさい。
せっかく作ってくれたのに……」

目の前にあるお皿を持ってお手伝いさんに渡す。
出された食事は残さず食べるのがモットーなのに今日は一口、二口食べて終わった。

「燿(あき)。私もう寝るね。
おやすみなさい」

「おやすみなさい。
お嬢さま、わたしは小さい時から気心を知れた中でしょ?」

「……」

「わたしのことはお手伝いじゃなく友人として悩みがあれば何でも話して」

お皿やカップを片付けながら優しく諭すように背中で言う。

「ありがとう。
悩みなんて……」

小さい時から一緒にいた。
向こうが5つ上。この家に住むと同時にお手伝いを雇いたいと燿に相談したら「わたしじゃ、だめかな?」と言われたので即OKした。
でも、その時、燿は大学生をしていた。

「月のためなら大学辞めるから」

「え?」

そんなことを言ってくれるなんて思ってもみなかった。