月が見る夢の星

自分の家に帰るとさっきあったことがまるで夢のようだ。
憧れの先輩から仮面舞踏会(マスカレード・パーティー)への招待。
出たいけど自分は出てはいけないような気がする。
迷惑がかかる。

――違う。

その言葉を言い訳にして返事を先延ばしにして。
とても嬉しいのに素直に喜べない。
理由……。
ベッドに大の字になり天井を仰ぎ見る。

月の両親はIT関係の仕事をしているが、月が住んでいるのは両親と離れて住んでいる。
両親が言うにはマンションの方がよかったんじゃないか。
でも、月は広いマンションより普通の一般家庭の家がいい。と、言ったら用意されたのがこの一軒家。

「お嬢さま、ご飯ができました」

「はい」

今、この家に住んでいるのは月を含めたった2人。
そんなに広くないからうじゃうじゃと人がいても邪魔なだけ。
お手伝いさんに返事をすると月は沈んでいた顔を隠していつもの明るい顔で扉を開け出て行く。