月が見る夢の星

「すみません。
ボールいきませんでしたか?」

先輩は開いている窓に近づきボールを外に投げる。

「これか?」

グローブを手に嵌め頭の上にかざしボールを受け止める。

「物に当たってたらどうする?」

「すみません」

「人に当たらなかったけどな」

グローブを持っている人の後ろからバットを肩に担いでいる人が現れた。

「ごめんなさい。
会長、大丈夫でしたか」

「気をつけて遊べよ」

「はい」




くるりと振り向き月を見る。

「返事は?と聞きたいが時間だな」

「時間?」

そう。と笑顔で時計をさすと昼休みの時間があと5分で終わる。

「私のところは5時限目は自習です。
先輩のところは?」

「そうなんだ。
俺はこっちの仕事が残ってるから、サボりだな」

さらりとスゴいことを言ってしまう先輩。

「考える時間はあるだろ?
俺が書類を生徒会室に届けているあいだに考えていてほしいな」

「……」

と、言うと教室から出て行く姿を見送る月。