『おい。だれかの声がしなかったか?』 『いや。だが、人が来た形跡がある。』 『確かに。いるかもしれんな。』 二人ぐらいの人が喋っていた。 ロッカーからの隙間から見えたそいつらの姿は黒かった。 見つかってはいけない。 たぶん、こいつらが鬼だから。 伊織は直感でそう思った。 早く消えてー! 伊織はそう願ってた。 けれど、予期せぬ事態が起こってしまった。