「ねえ、そろそろ圭子さんたちに話を聞かない?」
「そうだね。そろそろ聞こう。」
伊織たちはまず、圭子さんから話を聞くため別室を借りて話を聞くことにした。
「圭子さん、辛かったら言ってくださいね。」
伊織はできるだけ優しく言った。
「はい。」
「では、まず始めに富田さんは誰かに恨まれたりしてましたか?」
「わかりません。夫は何も言ってくれませんので……
ですが、社長です。
多少はあったのかもしれません。」
圭子は簡単と答えた。
伊織たちはおかしいと思った。
旦那が死んでるのにこれほどにも冷静なのかと……
「冨田さんたちはこの船に何人で乗られたんですか?」
「夫と私と高木をいれて三人です。」
要は松坂に目配せをして松坂は何かを感じとるように部屋を出た。



