声が聞こえた方をみんなが一斉に見た。
驚きの光景が目に入ってきた。
なんと姫華と健吾が溺れていた。
「た、助けなきゃ!」
伊織は反射的にそう言った。
「助けよう、じゃないとあの二人が…!」
要も焦ったように二人を助けようと言った。
けれど二人の意見は違った。
「無理だ。あいつらが今、あの状態なのは筏が壊れたからだ!
木が散らばってるだろ、あの二人の筏は潰れたんだ!
俺たちだって同じことになりうるってことだよ!
これ以上、人を乗せるのも鮫に近づくと危ない!」
悔しいがその意見には伊織も要も反論することはできなかった。



