伊織たちは今、岩場を歩いていた。
もちろん、貝をとるためだ。
「ねぇー、これって食べれるのー?」
伊織は岩にくっついている爪のような貝を指しなが言った。
「食べれますよー。それ、亀の手ですから。ぞくにいう、つめ貝です。」
佳子がそう答えた。
へぇー、変わってる~。
伊織はそう思いながら、中々とれない亀の手を必死にとった。
案外疲れる作業だったため、伊織は佳子にある提案をした。
「ねぇ、バケツが一杯になったらさ、少し休んでから山にいかない?」
佳子はどちらかというと効率的な行動をとりたがるので伊織は断られるかなーとおもっていた。
けれど、思っていた返事とは違っていた。



