すきなひと



「エミちゃんって、啓君たちの誰と付き合ってるの?」

その質問をよくされるようになった。
啓以外そんな風に見たことも考えたこともなかった。


「付き合ってないよ」

「ええ、そうなの?」

女の子は大抵びっくりする。


一方男子は

「誰が本元と付き合ってるの?」

と、聞かれていたそう。


「あのね、私……啓君のこと、好きになっちゃった」

その光景は、あの日啓が好きになったと言ってきたものに酷く似ていて……。


私は啓が好きだけど、彼女ではない。
ただの幼馴染の一人。

「あの、エミ……ごめんね?」

「なんで謝るのよ、私と啓はただの幼馴染なんだから!」

笑って背中をとんっと叩く。

失敗してしまえばいいのにと、内心思いながら。