そういう声は先程よりもどこか重たく冷たい。
「え……兄貴と一緒に住んでるってところ?」
「違う。次」
「それくらい慣れてる……?」
「それだよ。慣れてる、じゃない!いい年した男女が同じベッドで寝てるとはハレンチ極まりない。君達の関係は知らないが君は仮にも女の子だ。女性になりつつあることを自覚してもらいたい」
「はあ」
すごまじい迫力に私は思わず一歩下がった。
「大体君は…」
私が言った一言のがきっかけとなって、ネチネチとした説教が始まったのが分かる。
この人はストレスが溜まりやすいタイプだな……。
説教をずっとされても私が楽しくない。
あ、そうだ。
この家に住むんだったら、さっき会った人達に挨拶してきたらいいじゃん。
よし、それがいい。
そうと決まればレッツゴー!
私は彼に気づかれないように、そっと部屋を後にした。