淳夜は恨めしそうな顔をして、もっと餌をねだるビル・ゲイツを睨み付けた。


「いやー、こいつらが昨晩と今朝に食って食って食って食って食って食って食って食って食って食って食って食って食って食って食って食って食って食って食って食って喰って喰って喰って喰って喰って喰いまくったせいで我が家のキッチンはもう貧窮問答歌」


「? ひんきゅ……?」


「貧窮問答歌が分からない皆はパソコンで調べてみよう!!大人の人に聞いても知らない場合があるゾ☆」

何故かカメラ目線の淳夜。


「いや漫画じゃあるまいしカメラなんて無いけど。要するに、後島家の食料を全部デカワンコに食いつくされたって訳だな?」


「ま、そんなところだ」


「……お前ん家って、確か金持ちだったよな?」


「まぁね。でも、あの家には今オレ以外住んでいないからね。食料だってオレ一人がしばらく生活するのに必要な分しか無かったんだよ」


「あー、なるほどねー。お前も昨日の夜はデカワンコで大変だったんだなー……って、それが浅野家の食卓に着く理由になると思ってんのかあああああ!!!!!」


ガッチャァァァァァァァァン!!!!!



傷が決して軽くはないテーブル(六人用)で見事なちゃぶ台返しを披露した。


大量の皿が床に落ち、ド派手な音をたてて割れていく。


まだ残っていた料理が空中を舞っている間に、勢いよく飛び出したビル・ゲイツが口で全てナイスキャッチ!


「ふおお、ビル・ゲイツの新技発見!!」


感動した淳夜が目を輝かせて叫ぶ。


「ざけんなああぁぁ!!空腹を満たしたいのなら他の場所へ行けええええぇぇぇぇ!!」


傷の怒号が、まだ静かだった近所中に大きく響き渡った。