「……なんつ−かもう、メンド臭くなって来ちゃったな-」


愚痴を溢すと、副会長に睨まれた。


「あ-もういいよ。君も来ていいよ。この学校内で、傷に関する事柄の責任は全部MYG倶楽部にあるんだし」


しょうがない、ここは折れるしか無いだろう。


この女―――桜木由奈の要望を拒んで、痛い目に遭った人間は数知れず。


「まぁ……ボク自身その中の一人なんだけどね…」


かつては『鬼殺し』、今では『鬼』そのものと呼ばれる由奈に勝てる中学生などいないのだ。




















―――この少年…浅野傷以外は。