たどり着いたのは、 「…。」 -ガチャ 屋上だった。 程良い夏風が、腰まで伸びた黒髪を静かに揺らす。 空は快晴。 私は後ろ手でドアを閉める。 そして数メートル先の大きな貯水タンクまで行くと、それに背を預けズルズルと地面に座り込んだ。 要-‥ 大切な人が、私の前から消えていく…。 要もめぐも、手の届く先にはいない。 一体、あの日の要に何があったの…