今までに聞いたことのないような、お父さんの冷たい声…。 「かえって邪魔だ、里緒菜。 要の捜索は警察と我ら屋敷の者に任せ、明日からお前はいつも通り学校へ行け。」 お父さんは冷たくそう言い切ると、リビングを足早で出て行ってしまった。 私はただ、自分の無力さに涙を流すことしかできない。 やっぱり私は、 大切な人たちを誰一人、救えないんだ…。 『邪魔だ。』 先ほどのお父さんの言葉が、私の心を深くえぐっていく。