清来にいるはずのない、女の声 -ドクン…! 心臓がイヤな音を立てて揺れる。 やっとのことで上り終えた階段の先には、 いくつものドア。 わからない 女の悲鳴が、どの部屋のドアから聞こえたものなのか… 思わず立ち止まったそのときだった。 「やめて!!いやあ!!」 「…っ!」 再び耳に届いた、女の子の声。 同時に… 「静かにしろやあ!!」 「きゃあっ!!」 -ドカッ! 男の声と、人を殴ったような鈍い音…。