そこで私はハッとする。 そういえば、要に伝言預かってたんだ。 「あ、それから」 私の部屋へ鞄を置きに行こうとする使用人を慌てて引き止める。 「要、帰り遅くなるみたいで…夕ご飯はいらないと言っていました。」 私の言付けに、使用人は不思議そうに首を傾げた。 「要様が部活の後に用事とは、珍しいですね。」 うん、確かに。 夕ご飯はいつも要が帰宅するまで待って一緒に食べているけど、 「すぐ食べる」と言ったのはそれが原因だ。