逆にこれでよかったんだ 万が一、有沢と想いが通じあっていたら・・・ 覚悟は決まらなかった。 薄暗い部屋の中、 明かりも付けずに・・・私はある一点をずっと見つめていた。 視線の先には、 -コツ、コツ、コツ・・・ 一定に、ただ一定に秒針の針を鳴らし続ける時計台が一つ。 やがて、それは・・・ -ゴーン、ゴーン 夜の七時ちょうどを静かに告げた。