「斉藤」 水城の手がゆっくりと頭から離れていき… 今度は上沢が自分の前へと歩み寄る。 「オレはお前のような考えが一番嫌いだ。」 「……」 眼鏡の奥の強い眼差しが自分を射抜く。 「何をそんなに気難しく考える必要がある」 だけど次の瞬間、 その表情は嘘のように消えた。 「上沢…」 「辛いときは素直に仲間を頼ればいい。 そしていつか、その仲間が苦しんでいるとき… 今度はお前がそいつを助けてやればいい」 「…っ」