普段の彼からは想像できないほど、 肩が揺れていた…。 「オレが今この世で一番恐れてるのは…」 「…。」 「お前や…水城や琉生が黙って自分の前からいなくなること…」 更に一澤の腕が自分を強く抱きしめる。 私だって、 清来との闘いでみんなを失うのは…死ぬよりも怖い。 もしかして一澤も、 同じ気持ちなんだろうか…? 「……」 震える一澤の体に、何と声をかけたらいいのか… だけど言葉よりも早く、 手が勝手に動いていた。 自分の指先が、 一澤の背中のシャツを強く握り締める。