「…迷惑かけたくないから頼らないとか、 そんなこと言うなよ…」 こんなに悲しそうな一澤の顔を、 私は知らない。 「一澤…」 こんなに触れれば壊れてしまいそうなくらい、 泣きそうな顔を… 彼の右耳に付いたピアスが儚く揺れる。 「オレは例えどんなに大きな危険にあうことよりも、 信じてたやつに何も話されないほうがよっぽど怖い…」 一澤の顔がゆっくりと近づいてきて、 -ギュッ… そのまま力強く抱き締められる。