そのまま世相は私の横をスッと通り過ぎて行く。 続いて番沢も。 俯く私に目を向けることすらなく、世相の後を追う。 「…忘れんなよ。 小さな根性の持ち主にしろ、お前は『黒凪』を敵に回したってことにな。」 離島は最後にそう言い残し、 三人は屋上を出て行った…。 静かになった瞬間、 -ポロ… 私の両目からは、涙が溢れ出す。