念のため、そっちの偽名のほうを名乗ってみたんだけど… 有沢にはバレバレみたいだ。 「それ、男だってごまかすための偽名だろ。 オレが聞いてんのは…」 -ニコ 瞬間… 有沢の顔に満面の笑みが広がる。 「お前の本当の名前。」 そのキレイな笑みの裏に 『言わなきゃ殺す。』 そう言われたような気がして… 「…っ!!!!!」 引きつった笑みの自分の頬に、 冷や汗が静かに流れ落ちていった。