そして数秒後、 何か感づいたように再び私へと顔を向けた。 「お前名前は?」 「へ?」 予想外の問いかけに、思わず有沢を見つめ返す。 高校の次は…名前? 戸惑いながらも、 私はおずおずと口を開く。 「さ…斉藤理央」 「ウソつけ。」 う… 男と思わせるには、里緒菜じゃあまりにも怪しすぎると思って 私は名前を変えていた。 それが斉藤理央。