「ふっ…」 ふと、 有沢は静かに口元に笑みを浮かべたかと思うと、 「へ…わわっ!?」 最後に激しくかき乱すように、 私の頭をクシャクシャとなでた。 「お前ってほんと…変なヤツ。」 けどその手つきは、 最後に自分の心臓にとどめを刺すくらい 優しくて、あったかくて… そして 胸を締め付ける。 その感触がどこか、 昔幼いころに触れた…要の手の温もりと重なったから。