この部屋に来てから、 幾度か彼の笑った顔は見た。 だけど、 それはどれも自分をからかうような笑みばかりで、 魅惑で大人っぽくて… こんなふうに、お腹を抱えて無邪気に笑ってはいなかった。 「人から…そんなふうに言われたの初めてなんだけど」 え-‥ -ドキッ… 突然、 目の前から有沢の手が伸びてきて… -クシャ… 「…んっ」 それは私の髪の毛を軽く乱すように…優しく頭の上に触れた。