「まあ、見たところ… ワケありっぽかったし?」 え… 「あるんだろ。 男装してまで…黒凪に入らなきゃいけなかった理由がさ。」 「…っ」 彼の言葉に、ピクリと指が震える。 だってまさにその通りだったから… 「……」 何も答えられない。 ただ唇を噛み、下を見つめることだけ…。 …! そんな私の顎を、 有沢千景の指がとらえた。