「…」 まるで逃がすまいと抱き締められてるようなこの体制… 「…っ」 ハッとして思わず離れようとするけれど、 -グッ 「あ…!」 頭の後ろを強く押さえ込まれてしまう。 仕方ないので、顔だけを恐る恐る上へと向けてみると 「い 一澤…」 今までに見たこともないほど、鋭い目をした一澤と視線がぶつかった。 (こんなに怒った一澤…見たことがない。)