視線の先には、今まさに自分が閉めようとしていた扉 そして… 完全に閉まる直前で、それを力強く押さえ込んでいる…手。 慌てるヒマもなく -グイッ! 「わっ!!!」 次の瞬間、その手がすばやく私の手首をつかんだ。 「な…!」 -ギュッ 気づくと次には、力強い温もりに体が包まれる。 「…いい加減にしろよ。」 「え…」 同時に低い声が頭上から降ってきた。