程よい風邪が、二人の髪と制服を静かに揺らしていた。 「奏太君、あの、ね…」 ここから見てもよくわかる。 めぐの顔がかなり赤く染まっていること…。 本当に、離島奏太が好きなんだ。 先ほどめぐに言ってしまった言葉に、キュッと胸が締め付けられる反面同時に思う。 めぐの信じているその人柄が、本当に離島奏太自身なのだろうかと… こうして見れば、確かに彼がめぐを見る目は優しく 告白も上手くいくのではないかとさえ思ってしまう。