未だ眉をしかめながらも、
水城の言葉に一澤は渋々頷く。
「ってことは、そのうち思い出すのか?」
「さあ…それは本人次第なんじゃない。」
壁に背を預け、足を組む水城。
「にしても…」と一澤は静かに口を開く。
「記憶はないにせよ、
あいつ本当に勝っちゃったんだよな…
あの番沢さんに。」
言いながら、一澤は里緒菜の部屋のドアを見つめる。
「今は何かまだパニクってるみたいだから…
しばらくは一人にしておいたほうがいいかもね。」
「そうだな…」
2人はお互い頷き合うと、里緒菜の部屋を静かに後にした…。
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