慌てて誤魔化そうと口を開いた私の言葉に、要が「いっけね」と腕時計を確認する。 「サッカー部の顧問に呼び出されてんだった!」 サッカー部の顧問って、確か高橋先生だったよね。 「先生なら教室にいるよ。」 「あ、まじ」 私は今視線の先ほどにあるあの二年D組を指差す。 「サンキュー。…っと、お前あんま校内で怪しいことすんなよ?」 「…ぬっ!?」 私の行動を、要はどうやら「怪しいこと」と解釈したらしい。