悔しいのは当たり前だ。 だが… 「何それ」 …有沢は違っていた。 「…」 「…え」 2人の視線が、一気に有沢へと向けられる。 だが有沢は、不適にも穏やかに笑みを浮かべているだけ。 赤い瞳が、射抜くように離島へと向けられていた。 「それさ……オレには負け犬の遠吠えにしか聞こえないんだけど。」 「…っ」