水城の言葉に、一澤が里緒菜を抱きかかえようとした そのとき 「待て」 突然、自分ら以外の落ち着いた声が静かに響く。 「え…」 その声の主に、その場にいた誰もが言葉を失った。 揺れる長めの銀色の前髪から、 赤い瞳が強くこちらを見据えている。 「有…沢さん…」 声をかけてきたのは、 なんと有沢千景だった…。 有沢は静かに一澤たちのもとへ歩み寄っていき、 そして… 「そいつよこせ。」