「…ケガなんていうほどのもんじゃないよ。」 私は竹刀を構える。 「そうか」 番沢もそれ以上追求したりはしなかった。 張り詰める空気 一澤たちの、息を呑む微かな音 やがて、番沢もゆっくりと竹刀を構え始める 「櫻井」 「は、はい!」 「何ぼーっとしてんだ。試合開始の合図しろ」 「す…すみませんっ」 慌てて我に返る櫻井さん しばらくして密かに吸い込む息の音 そして… 「始め!!」 試合開始の合図が放たれた。