「あいつ…腕ケガしてたのか?」 「テストしてるときは、気付かなかったけど…」 落ちた包帯をそのままに、私は構わず番沢へと歩み寄る。 そして2人の距離が、再び数メートルまで近づいたとき 「腕をケガしてるのか?」 番沢が口を開いた。 「……」 その質問に、私は答えることができない。 …左腕の刻印のことは、 まだこの人たちには言わないほうがいいかも。