いきなり放たれた里緒菜の、低い声 「…」 有沢千景の赤い瞳が、かすかに揺れる。 明らかに、先程の里緒菜とは違う。 「オレには… 守らなきゃいけねえもんがあんだよ!!!!」 瞬間、里緒菜の踏まれていた手が有沢の足をすり抜けた。 私は、負けるわけにはいかない-‥! 里緒菜の手が、再び竹刀をつかむ 「構えろ番沢!!!」