「…おい、斎藤。」
「…。」
「斎藤っ!」
-ビクッ
「あ、すいません…!」
「どうした?ボーッとして。
気分でも悪いのか?」
気がつくと、みんなから痛いくらいの視線。
「あ…いや、大丈夫です!」
いけない。
これから大切なテストなのに…
しっかり、しなきゃ…
心の中で強く自分に言い聞かせるものの、
『きれえな顔して、地獄からの使者黒鬼とも呼ばれてる。』
『新入り1人、死んだらしいよ。』
「…っ」
リンと水城の先ほどの言葉が、
私を奈落へと突き落とす。
だけどこの震えは、きっとそれだけじゃない。

