「なあ琉生、まだ着かねーの?」




先頭を歩く茶髪のいかにも軽そうな男が、隣で地図を持つ男の肩にしなだれる。





「オレに寄りかかるな。一人で歩け。」



ピシャリと冷たく言い放つのは、メガネをかけたいかにも頭の良さそうな人。




琉生と呼ばれたその人の手には、黒凪への簡単な地図が握られている。





彼が今は、この団体の誘導係となっていた。







一応、私たちの中で自己紹介はしてある。