頷くと、今度こそリンは屋上の出口へと向かい出した。











瞬間-‥







「…っ!!」







左腕の刻印が、



強く疼き出す。









痛みで膝をつく私に、リンは気づいていない。













どうして、急に…






痛みに耐えるように、右手で刻印を強く抑え込む。











この刻印も私と同様、何かを感じ取っているのだろうか。









黒凪副総長


『黒鬼』





有沢千景という男に-‥。













しばらくして痛みは消える。





私は立ち上がると、力強く空を見上げる。




そして額に汗を滲ませながらも、静かに歩き出した…。