「へえ…」 逆に千景の顔からは笑みが消える。 それくらい、奏太が特定の女に興味を示すのはめずらしいことだった。 「名前くらい聞いとこうか。」 ジュッ、と音を立てて、 皐月が灰皿にタバコを押し付ける。 奏太は今までにないくらい、愉しげに笑い… そして言った。 「斎藤 里緒菜。」