空と海










私…、京言葉使うのすっかり忘れてた……。

どうしよう…何かいわないと怪しまれる...よね


「わ、私、2ヶ月前に親が病に倒れてしまって、その薬代などを稼がないといけなくなったのでやむをえず、ここで働くことになったんです……。」




嘘だ。

真っ赤の嘘


そんなわけない、親は長州でピンピン元気に生きてる

付け足せばおじい様、おばあ様まで生きてる


長生きが取り柄の家だし



それなのに、嘘なのに壬生狼は罰が悪そうに眉を下げる


「そうなのか…。すまねぇ、野暮な事聞いちまったな」




「い、いえ、大丈夫です!!!今はだいぶん良くなってるんで……。」





私は、嘘をついてるの



だから、そんな風に謝らないでよ



良心がズキズキと痛んむ



けれど、嘘を付かないといけないのはそれほど守りたい何かがあるから