私は、廊下に出て、できるだけ早く用意されている自室に戻り、一人になりたかった。
なのに、今になって震えが止まらなくなって、上手く走る事が出来ない。
総司の力は強くて、いくら抵抗しようとしても、力で抑えられ、抵抗出来なかった。
力で抑えつけることなんてしない人だと思ってたのに…
優しい人だと思っていたのに…
私の勘違いだったの………?
『帯は人の姿勢を綺麗に見せてくれる。それに、ほら、さっきよりもシャキッとしとる』
そう言って私を見送ってくれた幾松さん...それに岡田や高杉さん、桂さん、香山さん、長州を思ってるのも確かだけど、総司を思う私の気持ちは変わらなかった...
変われなかった
こんな気持ち...
知らない
知りたくなかったよ
パタパタと瞳に涙を浮かばせながら廊下を走る私
早く、自室に行こうという気持ちが強くって周りの気配を感じられなかった私は次の瞬間ドンっと誰かにぶつかり、そのまま派手にこける

