団子屋の近くに行くとやっぱり良い匂いがして、食欲をそそる。
でも、今日は買いに来た訳じゃなくて、お土産を買いに来た。
あの沖田 総司と言う男のために……。
高杉さんと香山さんの分も買いたいのに今日の私にはそこまでの余裕がない。
私は、小さな溜め息をついたあと、お店の暖簾をくぐった。
お店の中に入りると、私は早速、お団子を頼み、お店の一角に座る
早く終わらせて屋敷に戻ろう
そもそも私があんなところで転けなければ、あの人にあんな風にからかわれる事もなかったのに
まぁ、でもあの浅葱色の羽織は好きだけど...
空みたいにすんだ色
長州にある海と少し似ているけど少し違う色
まるで対象の色では無いのに対象の色に見えて来てしまう
いや、もしかしたら敵同士だから、同じ何かを夢見ているけど...対象的に見えてしまうのかもしれない
そんな事を思って団子を待っていると目に付くあの浅葱色の羽織
壬生狼...か
なんだろう?
私ってそんなにこの壬生狼と縁があるのかな?
そっと視線を羽織から男の顔へと向けると、昨日と同じ茶髪の男の人
「あっ、お前!」
ぺこりと頭を下げると二カッと人なっこい笑顔を見せて私の方に近づいてくる壬生狼

