誰かの声が障子から聞こえ岡田の動きがピタリと止まる
そこにいたのは開いた障子になんかかりながらこちらを鋭い目で睨む高杉さん
「これはこれは晋作さん、貴方も覗きが趣味なんて驚きました」
ゆっくりと私の上から立ち上がると嫌な笑みで高杉さんに喧嘩を売る岡田
「あん?もう一回言ってみろ野良犬、だいたいなあのまま続けてたらお前の技術じゃ啼けるもんもなけねぇよ。逆によかったんじゃねぇか?あ?」
「は?俺の手にかかれば永久だって『ピー』とかなんとか言って啼くに決まってます」
「ふっ、お前がそこまでいくんだったら俺は『ピーピー』まで言わせてよがらせられるな」
※岡田君と高杉さんは朝っぱらから不適切な言葉を使って張り合っているので一部"ぴー"と表示させてもらいます
作者より
「あ?」
「なんだよ、あ?」
ー・・・
これが、今朝の出来事……。
あのまま私は二人を放置して他の部屋で睡眠をとった
大半の会話の意味は分からないし、それにあの二人があーやって喧嘩を始めたらなかなか終わらない
そして今、私は壬生狼の屯所に向かうべく、着替えをしている。
少し、茶色がかった髪を高い位置で赤い紐で結び直し、男用の袴…っていっても香山さんとか高杉さん、岡田のを着てもぶかぶかでだらしがないので、長州から自ら持ってきた黒と白の普通の袴に着替えて、刀を腰にさすと長州の宿を出た。
それにしても、手拭いだけを持って行くのは心苦しい……。
仕方ない、団子でも買って持って行きますか………。
そう思って、恥ずかしいが、変装はしているからと思い昨日の団子屋へと足を向かわせる

