そっと障子を開ければ庭には桜の花びらがひらひらと舞いながら散ってゆく。 私が生まれた時からある桜の木。 散る定めを知りながら、なおも咲き続ける桜 春風家に代々受け継がれてきたもの それが何十回目かの桜を咲かせ、惜しむことなく散っている。 彼と分かれてから六年間、この桜の花が散るのを見てきたけれど..... 「今年も綺麗ね....。」 年々美しさがましてゆくこの桜...。 でも...この桜を見るのは今年が最期になりそう