「うッ、ヒック、う゛ぅッ…、あ゛にさま……ッ」 手紙を読み終わった後、私はその場にへたり込んで、泣いてしまう。 まさか、兄様がそんな風に私のことを思っていてくれたなんて…。 生真面目で、頭が良くて、武芸も人一倍よくできて、私と正反対の兄様。 子供の頃はよく遊んだりしていたけど、年を重ねるにつれて遊ぶこともしなければ、話すこともほとんどなかった。 けど、ちゃんと私のことを想っていてくれた……。 それだけで涙が出てくる。